アメリカ文学史 J.F.クーパーのDeerslayer(鹿討ち人、または鹿殺し)と『最後のモヒカン族』

日大通信教育部 文理学部 文学専攻 (英文学) で、アメリカ文学史を勉強しています。

北原安治先生が、教材として指定された『アメリカ小説入門』という本の22ページ、Deerslayer の和訳には苦労しました。J.F.クーパー(ジェイムズ・フェニモア・クーパー)という人が書いた作品です。

北原先生は、科目習得試験のために、このページを含む、いくつかの小説の抜粋を和訳できるように、と指示されました。わからない場合は邦訳版を見てもよい、ということですが、これは地元の図書館で検索してもらった結果、国立図書館にもない、と言われました。

それで、知人の助けも借りて、自分で試訳をして、北原先生に「これでいいですか」と手紙でお尋ねしたところ、「大体良い」という返事がいただけました。

 

このクーパーさんは、いろいろ調べた結果、英語としてかなり悪文で、翻訳者泣かせとのこと。

それでも映画にもなって有名な『最後のモヒカン族』という作品があります。

それも、DVDの日本語版はなくて、英語版をアマゾンで買いました。

音声英語で字幕も英語で、観ました。

さすがに、ついていけませんでしたが、雰囲気とあらすじはつかめました。

後で『あらすじ』を確かめて、納得。

 

悪文を書くという不名誉な評価もあるクーパーさんは、何が素晴らしいかと言うと、テキストにもありましたが「アメリカ人の理想の姿を描いた」ことです。そのことが、映画を観て実感できました。

イギリスやヨーロッパには良い意味でも悪い意味でも伝統や歴史がありますが、アメリカにはない。なかった。

それで、何を文学の題材にしたかというと、自然なんですね。

その自然の中で、どのように生きるか。

アメリカン・インディアンの中にも「善いインディアン」と「悪いインディアン」がいて、主人公の男性は白人でありながら、「善いインディアン」とともに生きる。野生に生きる。誠実さに生きる。そこが、かっこいい。もちろん、それは「理想」なので、現実のアメリカ人は違うのでしょうが、アメリカ人の中には「こんな風に生きたい」という希望があるのだな、こんな人を尊敬するんだな、というのがわかりました。まあ、現代では、そんな自然な人より、長者番付1位2位を争うアメリカ人に憧れる人の方が多いのかもしれませんが…。

 

そんなことを感じた次の日、家族がDVDでスターウォーズを観ていました。

それは日本語音声の日本語字幕で、何度も観ているものなので、私は真剣には観なかったのですが、あ、やっぱり…というものを感じました。

やっぱり、アメリカ人のテーマが「文明vs自然」みたいな…。

自分を頼りに、生きる。

自分で道を切り拓く。

 

ただの趣味で英語の本をランダムに読むだけじゃなくて、こういう風に系統立てて勉強しながら読むのも、また楽しいですね  。