ミシェル・オバマの『マイ・ストーリー』原題 “Becoming” by Michelle Obama

   

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       ミシェル・オバマの『マイ・ストーリー』原題 “Becoming” by Michelle Obamaを読んだ。正確に言うと、読んだのは図書館で借りた日本語版で、英語では読まずに、聴いた。ミシェル・オバマ自身の朗読で、オーディオブック(朗読CD)でだ。原書はアマゾンで値段が高かったので、買わなかった。

      

       内容は大きく3部に分かれていて、

      1.Becoming Me「私になる」

  2.Becoming Us「私たちになる」    

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   3.Becoming More「それ以上になる」


      

       1部は、幼少のころから、成人するまでのミシェルの生い立ち。2部はオバマと出会い、結婚して家庭を作り『私』から『私たち』になる部分。そして3部は、普通の人では経験できない大統領一家という公人としての物語だ。(渡辺由佳里という人のレビューにこの本の全容がとても上手に書かれています)
     

        私がもっとも共感を覚えたのは、2部で、自分の夢や計画を持っていたのに、結婚によってそれが大きく変わってしまったこと。

  不妊治療で苦労をするのは自分ばかりで、夫の生活はほとんど変わらない悔しさを表明するところ。でも、いったん妊娠すると、それが報われる、母となる喜びも描かれている。

  とても素敵なパートナーのオバマではあるが、普通の夫婦に必ずと言っていいほど訪れる倦怠期、もしくは崩壊寸前のお互いが理解し合えない時期もあり、夫婦カウンセリングを受けたこと。

  しかし一貫して、妻が家庭(子育て)を支える負担が大きく、自分のキャリアを全うできない悔しさは、痛いほど、共感できた。(私はミシェル・オバマさんほど有能では全くないが、そういう問題ではなく、機会の男女差の問題として) 

  また、家事・育児・仕事の合間を縫って、車の中でランチを済ます自分を褒め称える彼女と、自分(かつてであれ現在であれ)を重ねて「最高!」と激しく共感する女性は多いと思う。


      それから、黒人であるということ。自分の祖先は「かつて奴隷であった」と言うくだりがある。それを言うとき、どんな心情だろうかと、思った。  

  この本を書いた大きな理由は、マイノリティを励ますためだ。自分のような、黒人でも、女性でも、家庭的に特に恵まれていなくても、できることがある、チャンスはある、諦めないで、という呼びかけだ。   
  

  またミシェル・オバマさんは描写力が素晴らしく、文才があると思った。   

 

  日本語版の本は比較的、すらすらと読み終えたが、オーディオブックは時間がかかった。車のオーディオセットに録音して、運転するときに聴いたのだが、最近は運転する機会が減ったせいもある。 
  まあ、そもそも、長い物語ではある。  

  

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   たまたま、この本を読む前に読んでいたのが、Chinua Achebe チヌア・アチェベ著Things Fall Apart 『崩れゆく絆』で、こちらはアフリカに白人が奴隷狩りに来始めたころの話だ。こちらも読みごたえがあった。
   

   その中間地点として私はハーパー・リーHarper Leeによる『アラバマ物語To Kill a Mockingbirdとその続編『さあ、見張りを立てよ』Go Set a Watchman も読んでいる。

   

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   黒人問題に自分が惹かれるのは、女性という同じ被差別者としての思いがあるからかもしれない。

 

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