美しい音色を聴くと涙が出る Moved to tears by music
なぜか知らないけれど、私は音楽を聴くと涙が出ることがあります。
それはいつも生演奏で、近くに演奏者がいるときです。
昨日(3月10日)は、『森のめぐみ』というカフェでのことでした。(福井県坂井市・えちぜん鉄道〈大関駅〉のすぐ目の前にあります)
ルーン・スタールさんというオランダ出身のピアニストの誕生会に、私は呼ばれました。私がその店で英会話レッスンをしているので、集まった人たちとルーンさんとのコミュニケーションの助けになれば、という思いで店主の田嶋さんは私を呼びました。
立食パーティーのような形でした。
知っている人がほとんどいない中で、やや緊張気味に、私はそれでも人々と会話を交わしたり、飲食をして過ごしていました。
英語ができる人が多かったので、私の出番はほとんどありませんでした。
ルーンさんのソロ・コンサートは23日(土)に『森のめぐみ』で行われると聞きました。今日はコンサートではないのです。23日は都合が悪く、私は行けないので残念だなぁ、と思っていました。
でもそこは音楽好きの人たちが集まる『森のめぐみ』。ひとり、ふたり、ぼちぼちと楽器で遊ぶ…みたいな形で演奏が始まりました。
カフェなのに今日は特別にお酒も出て、皆さんはほろ酔い加減。いい感じに和んでいました。
車を運転して行ったので、私はアルコールは飲みませんでしたが、音楽がアルコールの代わりに私の緊張をほぐしてくれました。
そのうち、ルーンさんがピアノに近づいて行き、演奏を始めてくれました。
美しい音色、という言葉では言い表せないほどの音をピアノで奏で、そして歌も歌ってくれました。
そこにいらした、いろんな楽器を持った人たち、歌う人がルーンさんに呼ばれて、一緒に演奏しました。
サックスの男の人と、クラリネットの女の人の演奏が入ったときのことです。その人たちの奏でる音色が私の体の中に入ってきました。
ちょうど、みぞおちのところです。
そこに、サックスの音がとくに、ずん、と入ってきました。
すぐ目の前で演奏されたその音が、ずん、とです。
私は思わず、みぞおちを押さえました。
彼ら三人の演奏を聴いて、私の涙腺が緩んでしまいました。
なぜなのか、わかりません。
曲は Over the rainbow でした。
私が好きな曲ではありますが、それがとくに個人的な思い出があるとかそういうことではなく、ただ、ひたすら、演奏の美しさに感じ入ったのです。
谷崎潤一郎の小説の中に「美しいものを見ると涙がでてくる」というセリフがありましたが、私の場合は「美しい音色を聴くと涙が出てくる」らしいのです。
そんなことが、ときどきあります。『森のめぐみ』さんでのことが、ほとんどです。
感謝です。
* サックス奏者は岩田雅弘さんという人だということが、後でわかりました。今まで私が見たことのあるサックスよりかなり大きな感じがしましたが、テナーサックスだそうです。女の人の名前はわかりません。お子さんを連れていらしたので、ときどきお子さんに気をとられながらも、素敵な音色を奏でていました。
#ルーン・スタール #岩田雅弘 #森のめぐみ